寒い季節に桜の話題といえば桜を見る会。
安部総理が反社会的勢力を招待したやら、自分の支援者を格安で招待したことが選挙法に違反しているだの毎日ワイドショーを騒がせています。
消去してしまった顧客リストがカギを握っているようですが、内閣は消去して復元できないの一点張り。
個人的に気になったのはやはりデータ消去と復元についてです。
≪目次≫
- 内閣のデータについての発表
- 磁気テープとは?
- 本当に復元不可能なのか
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出展:wikipedia |
内閣のデータについての発表
内閣は招待者リストを復元できない理由として次のように述べています1)シンクライアント方式にしたため個人のPCにデータは残っていない。
2)データ消去後8週間はバックアップ用の磁気テープに保存されているが保存期間を過ぎるとデータは完全に消去される
3)データの復元は不可能である
シンクライアント方式とは簡潔に言えば必要なデータはサーバーに保管しており、PCには保管していない。PCを通じでサーバーの情報を読みに行く方式のことです。
磁気テープとは?
一番反応してしまったワード「磁気テープ」とは何でしょう。
サーバー、磁気テープとくればあれしかありませんね。
みんな大好きLTO(エルティーオー)!!
LTOを知らない方のためにLTOとは何でしょうか?
LTOとはLinear Tape-Open(リニアテープオープン)の略です。
わかりやすく言うと超大容量のカセットテープです。(厳密にいえば違いますがイメージは一緒)
テープにデータを保存するものです。
「え~今時政府がカセットテープにデータ保存するの?ありえなくない?」
と思った方も当然いますよね。
日本ではしHDDやSSDにとってかわられているLTOですが海外では需要は伸びています。LTOは日本政府どころか、FACEBOOK、GOOGLE、AMAZONなど名だたる大企業のサーバーに使われているのです!
LTOのメリット・デメリット
メリット
1)なんといっても低コスト
IBM LTO Ultrium7だと6TBで税込み23,000円程度なので1TBあたり3,905円!
内蔵HDD 5,000~6,000円
内蔵SSD 12,000~14,000円
内蔵HDD 5,000~6,000円
内蔵SSD 12,000~14,000円
HDDの価格下落が激しいですがまだまだLTOのほうが容量当たりの単価は安いです。 ※価格はコンシューマー市場の販売価格です
2)省エネ
3)どんどん大容量化している
2000年に発売されたLTO1の容量はわずか100GB
しかしLTO7は6TB。最新のLTO8の発売も見えているのに加え研究は続けられているためさらなる大容量化も期待されています。
デメリット
1)データの書き込み・読み出しが遅い
テープなのでランダムアクセスが苦手です。
端からず~と目的のデータがあるところまで探していきます。
最近のドライブは情報をセルごとに管理してランダムアクセスができ売らしいのですがHDDやSSDに比べると遅いです。
2)ドライブの導入コストが高い
これが一般の企業には受け入れられない最大の理由。一番安い外付けのLTOドライブでも70万程度はしてしまいます。普通の会社や個人であればHDD,SSDのサーバーで十分です。
データ復元は可能なのか?
LTOが好きすぎて熱くなってしまいました。
本当はもっと語りたいのですがまたの機会に。
本題のデータ復元は可能なのか?
可能です。
この場合消した消さないは問題ではありません。
どう消去したのかが問題です。
1)消去ボタンをぽちっと押した場合→復元可能
2)元のデータに何の意味も持たないデータを上書きして消去した場合→復元不可
3)テープをシュレッダーした→復元不可
論理的に消去した場合は復元できる可能性はかなり高いですが、物理的に消去した場合はほぼ不可能です。
ですので野党の皆さんはそ消去したのか聞くのがよいでしょう。
では、なぜ政府は復元の可能性があるデータを復元しないのか。
政治的理由、大人の理由は置いておいて記録媒体だけ焦点をあてて話します。
データを復元するときはサーバーから該当のデータが保存されていたLTOを抜き取って復元します。
LTO 1個に最新であれば6TBものデータ保存ができます。
ということはさくらの会招待者リスト以外にも内閣の情報がたくさん保存されているわけですね。
それを外部のデータ復旧業者に渡すこと自体が情報漏洩の危険があります。
また、その中の情報が漏洩してさくらの会とは関係ないぼろが出る危険もあります。
データ復元は可能といえば可能ですが、政治的障壁は抜きにして、データ漏洩のリスクや消去方法によっては復元の確率は下がる、というのが結論です。
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